君と図書室で




○●○○○



「つか、れた」


ガクリと項垂れた私を見て、先輩はクスクスと笑い出した

「高岡さん、すごかったもんね」


高岡、ゆみちゃんの苗字だ


「先輩も止めてくれればよかったのに、」



そう言って、先輩を恨めしく見上げても当の本人は笑うだけ


「はあ、」

それを見ながら、今日何度目か分からない溜め息を吐いた






今、私と先輩がいるのはカラオケ店の近くにあるファミレス



あの後、カラオケ店に入った私達は最初は普通に歌っていた

そう、普通に



だけど、途中から由美ちゃんのテンションが異様に上がり、盛り上がる曲を入れると必ず合いの手を求めた

私だけに



その後の由美ちゃんの私への集中攻撃は凄かった


デュエット曲で無理矢理参加させるのはもちろん、私がどの曲を歌えるか熟知している由美ちゃんは勝手に曲を入れ、無理矢理歌わされた


先輩が苦笑いする程に



そして、カラオケ店から出ると、由美ちゃんは早々に帰っていった


『近くのファミレスにでも行って、ゆっくりしていきな!』



とか、捨てゼリフを吐きながら