君と図書室で


「それでですね、先輩」



由美ちゃんは少し私に話を振ると、また先輩と喋りだした


そして、私はそのまま本に視線を落とす

昨日、全く読めなかったからね
今日は沢山読むぞー








「よし!任せて下さい!先輩!」


その由美ちゃんの大声で私は気が付いた


また、本に没頭しすぎて周りの状況に気が付かなかったみたいだ



この本、結構面白いなー


そう思いながら、隣にいる由美ちゃんへ視線を移す



「?」


すると、由美ちゃんも私を見ていたのか視線が交わった



そして、由美ちゃんは妖しく笑うと、


「ちょ、」

「え?!」


先輩と私の腕を掴んで、図書室を飛び出した



あ、本。
貸出しの手続きもしてないのに持ち出しちゃった...



って、そうじゃないか

「ゆ、由美ちゃん、何処行くの?」



少し、挙動不審になりながら問うと、

「カラオケ」

と、こちらを見て、笑いながら答えてくれた



え?カラ、オケ...?