「みんな!」

声をかけられて、そっちを見ると、女の子たちが集まってる所の中から、美紀ちゃんが駆けてきた。


「美紀ちゃんっ」

「すごいね、みんな一緒!」


美紀ちゃんが興奮気味に言った。

あたしたちもそれは同じだ。


ちょっぴり天然で鮫島の彼女の美紀ちゃんとは、あんまりちゃんと話したことないけど同じクラスになれたし仲良くなれるといいな!



「鮫っちは?まだ?」


明日香がそう聞くと、美紀ちゃんがため息をついて、ピンクの携帯を開いて画面を見せてきた。


『通りがかりの外国人に道案内することに。マジ言葉が通じねー。遅れるわ(T_T)』


「だって」

「初日からかよ」


京吾くんがははっと笑う。


「英語しゃべれんのかなぁ、鮫っち」


啓ちゃんが心配そうに言う。


「知らなーい。遅刻の言い訳っぽいから、あんただけクラス離れたよって送っちゃった(笑)」

「うわっ!鬼!」


美紀ちゃんの意外な面を見て、あたしは何だか可笑しかった。


あーいいな、この感じ。

みんな一緒っていいな。