「メガネケースは何色になさいますか?」
「んー、黄緑」
メガネは無事できあがった。
啓ちゃんは、ほくほく顔でそれを受け取った。
「啓ちゃんこれで、授業中とかもよく見えるね」
「うん!」
店を出て、バス停へ。
青いベンチで、緑色のバスを待つ。
空はオレンジ色のグラデーション。
「ねぇ啓ちゃん、明日から学校だね」
「ね」
「……」
「……」
「「あのさ、クラス…!」」
二人してハモってしまった!
思わず目をぱちくりして笑っちゃった。
「クラス…一緒になれるといいね」
「そうだね。クラス替え最後だしね」
「うん」
啓ちゃんと同じクラスになれたら楽しいんだろうな。
いいクラスになるといいなぁ。
ちょっとドキドキ。
横を見ると啓ちゃんが顔をあげ、神頼みのポースで手のひらをあわせて、目をとじている。
「念じてんの?啓ちゃん」
思わず笑ってしまった。
啓ちゃんが片目をあけてこっちを見たと思ったら、軽くウインクした。
「よしっ大丈夫。神様と約束したから!明日絶対同じクラスだよ」
そう言って啓ちゃんは、へらっと笑った。
「ほんとに~?」
「ほーんと。神様が言ったもん。“了解したぞい”ってー」
「うそぉー(笑)」
啓ちゃんが言うと、本当にそうなる気がする!
二人は手をつないで明日の奇跡を願うのでした。
明日から高校三年生。
どんなことが起きるのか、今から楽しみです!