あたしたちは色んなお店を見て周った。
帽子屋さんで、ハットやベレー帽、ハンチング、キャップ…何でもかぶったけど、啓ちゃんは何でも似合っちゃう!
あたしがベレー帽をかぶると啓ちゃんは、
「何かどっかの画家みたい!」
と笑った。
それってほめてんの!?けなしてんのー!?
アジアン雑貨のお店に入ると、独特のお香の匂い。
このポンチョ可愛い!なんて商品を見ていると、ちょんちょんっと肩をつつかれたので何だと振り返ると
そこには薄気味悪いゾウの顔が!!
「ぎゃあぁっ!」
もちろん犯人はお面をかぶった啓ちゃん。
ダンボみたいに耳をひっぱってやりました。
石鹸屋さんであわあわ体験したり、服を見てお互い合わせてみたり、着物のお店で啓ちゃんの着物姿を妄想して鼻血出しそうになったり、クレープ食べたり、色々した。
「あっもうあれから1時間以上経ってる!」
啓ちゃんが音楽の鳴り出した時計台を指して言った。
人形がくるくる回っている。
「じゃあもう出来てるねっ。取りに行こっか」
「うん!」
メガネ屋に向かう時、あたし達は自然と手をつないでいた。
何だか照れていると、啓ちゃんも照れたみたいで、手をぶんぶん振った。