「ありゃ…寝ぼけちゃったよ」


啓ちゃんもつられて笑い出した。

もうぐでぐでだ。


「わっ」

気を抜いていると、あたしは啓ちゃんに腕を引っ張られて、啓ちゃんの横に寝そべる形になってしまった。


わあ~!

こ、この体勢は!



「けっけっ啓ちゃん!?」


ていうか、狭いからほとんど啓ちゃんの上に乗っちゃってるし…!

啓ちゃんは寝起きで、いつになくヘラヘラしてるし…!

大胆だし!


「ん」

「えっ?」

「おいで」


啓ちゃんは自分の右腕をぽんぽんとして、その腕を曲げてスペースを作った。


これは…腕まくら!?

どうしようっ!照れる!


恥ずかしくて、照れくさくて、あたしはぷるぷると体を浮かせている状態。


「おいでってば」

「で、でも…」

「もお、おいでってば、ほら。なぁんもしないから」


啓ちゃんが、嫌なの?とでも言う顔で、口を尖らせたので、あたしは勢いに任せて啓ちゃんの腕の中におさまった。