卓球やったり、ホッケーやったり、もぐらたたきやったり…
あたし達は啓ちゃんの髪がすっかり乾いちゃったくらい、ゲームを心行くまで楽しんだ。
ホッケー王子の異名を持つ啓ちゃんは、やっぱり強い!
ご機嫌な啓ちゃんを横目に、今日も楽しかったなぁと幸せに思った。
温泉を出たら、外はもう夕日がかっていた。
オレンジ色の空にカラスが飛んでいる。
何となく気分で、自転車を転がして歩いて帰ることにした。
「♪カーラスと一緒に帰りましょう~」
「気持ちよかったね、啓ちゃん」
「うん。また来ようね」
啓ちゃんはそう言って、片手で自転車を転がしながら、片方の手であたしの手をとった。
ぎゅって優しく握ってくれる。
幸せすぎて、口がにやけさせながら、ぎゅって握り返した。
「何にやけてんの?」
「別に~?」
「あー美園といちゃいちゃしたい…」
「はっ?!いちゃいちゃって…?!」
「顔赤いよ」
「うるさいっ!」
やばいやばい。
啓ちゃんはまた歌い出した。
「カーラスなぜ鳴くの~♪」
「カラスの勝手でしょー♪」
「それは替え歌」
「あれ?」
手をつないで、ぶらぶら。
心も体もぽっかぽかの一日でした。