「ねー美園~、牛乳とコーヒー牛乳どっちがいい~?」


えぇぇ~?!

いつのまに…。


啓ちゃんは嬉しそうに笑いながら、売店で瓶のコーヒー牛乳を二本買った。

そしてちゃっかり売店のおばさんとも仲良しになったのでした。



自由に使える畳のお部屋でくつろぐことにしたあたし達。


「かんぱーい!」


カチャンといい音がした。

喉渇いてたから、おいしいや。



「かーっうまい!やっぱり、温泉といえばこれだよね」

「そうだね」

「しかも絶対、瓶のやつ!飲みたかったんだ」

「そっか。よかったね!啓ちゃん」

「うん!」


まるではしゃいでいる小学生みたいな啓ちゃん。

まったく色んな顔を見せるんだよな、啓ちゃんは。

まっ、そこが好きなんだけどね。


ふふふ。


「美園?」

「ん、んっ何?」


啓ちゃんが横からじーっとあたしを見てくる。


「えーと…?」

「口の周り、おひげができてるよ」

「えっ!!」


にんっと笑って、啓ちゃんはゲームしよう!と立ち上がった。