タオルを持って、んっ?って首を傾げる啓ちゃん。

おっと!また見とれてしまった!


「啓ちゃん。髪の毛乾かさないと、風邪ひいちゃうよ?」

「ん?大丈夫だよ、すぐ乾く!」


わんちゃんみたいに、顔をふるふると振ってへらっと笑う啓ちゃん。


「そっ?ならいいけど」


すると啓ちゃんがあたしの髪を優しく手に取った。

えっ?


「美園」

「えっ…?」

「いい匂い」



うっはぁ…!


ちょっと下の方から、あたしを見据えた啓ちゃん。

その目は、その目は、何の攻撃?!



ドキドキドキ!



だめだよ、啓ちゃん。

近いよ、顔……見てるよ、売店のおばさんがぁ~!


でも、目が離せない~!


意識がどっか行っちゃいそうになった時、気づいたら啓ちゃんは目の前にいなかった。



あれ?