湯は真っ白い泡風呂。

そこにアヒルさんが浮いてて…。


啓ちゃんは泡を吹いて遊んでるんだ。


それで、泡がふわふわして啓ちゃんみたいだから、あたしが

「啓ちゃん溶けちゃうね~」って言ったら、


「うわあ~」とか言いながら、ぶくぶく啓ちゃんがお風呂にもぐって…。


……


「美園?」

「…ハッ」


ま、また妄想が炸裂してしまった…!


変なのと目を細くして笑う啓ちゃん。


もう、啓ちゃんがいけないんだよ!

こんなに可愛いから…!



「とにかく行こ行こ行こ~~!」


尻尾振ってまぁ。

嬉しそうな啓ちゃんを見て、誰が断るもんですか!


「おっけー、行こう!いつ?」

「今から!」

「おっけー!今ねっ…って、はっ!?」

「ねっ」


にっこにこの啓ちゃんには逆らえず…。


すぐに部屋を出て、健康ランドに向かう事になった。



水色のダウンジャケットをさらっと羽織る啓ちゃん。

へらっと笑って、「二ケツで行こっか」とチャリ鍵のキーホルダーをしゃんしゃんっと鳴らした。