わけが分からずにいると、啓ちゃんは持っていたものをあたしに見せ付けた。
「じゃーーんっ!」
それは
『健康ランド“いやし湯ランド”の無料招待券』だった。
「コレどうしたの?」
「これ行こうよ、美園!」
「でもさぁ、一緒に入れないんだよ?」
「……」
「……?」
あれ?
今の、とらえ方によっては…。
「美園…俺と一緒にお風呂入りたいの?」
んなーっ?!
あたしは一瞬でゆでだこだ。
「ちっ違うよ!そうじゃなくて、入るのは一人一人だからっ、一緒に行ってもバラバラなわけでっ…女同士とかじゃないから…って、えっ?だから…」
ニヤニヤしてあたしの顔を覗きこむ啓ちゃん。
大失敗だ…!
恥ずかしい…。
「分かってるよ。入る時は別々だけど、出た後とか一緒にまったりしようよ。ゲームしたり、あとコーヒー牛乳飲んだり」
「う、うん」
分かってるよ、でこづかれたおでこが熱っぽい。
本当に、ね、熱ないよね、あたし?
でも、啓ちゃんと一緒にお風呂に入ったとしたら……