「ねー啓ちゃん、新学期の準備したぁ?」

「んーん。してなーい」


春休みももう終わり。

あと二日したら、あたし達は高校三年生だ。


「そだ。雑巾持ってかないと!」

「あー」


あたし達は、いつも通り啓ちゃんの部屋でごろごろ雑誌読んだり、ポポとじゃれたりしながら、

新学期のことをぼんやり考えていた。


二人でじゅんたんの上で転がってたんだけど、急に啓ちゃんが「あっそうだ」と立ち上がった。


思わずあたしも体を起こす。

啓ちゃんは嬉しそうにひょひょひょと笑いながら、棚をあさり出した。


「なに、どした?」

「ちょっと待って!」


何だ何だ?

何事だ?

隣でポポも首を傾げている。


「あった!」


啓ちゃんは何かを探し当て、後ろに隠してあたしに近寄った。

めっちゃ楽しそうだけど…?