「もういいよ!何が宇宙人よ!酔っ払いジジイの戯言には若者はもうついていけません!行こっ、啓ちゃん」

「何だと!おいっ」


あたしは啓ちゃんの手を引っ張って、お父さんにあっかんべーをした。



「ま、待って!美園」

「へ?」

「何か、何かこのままじゃ嫌だ…!」

「啓ちゃん?」

「俺、認めてもらいたいんだ。……お父さんに」



啓ちゃんは、真面目にしっかりと言い、お父さんを見た。

でもお父さんはフンッとそっぽを向いてしまう。


「啓ちゃん――気持ちは嬉しい。でもいいんだよ。こんな頑固親父!いっつもお節介で迷惑なんだから!」

「言ったでしょ、美園。もし美園が宇宙人と遭遇したら、俺が交渉するって」

「啓ちゃん…」


あたしたち、目をキラキラ。


「って、誰が宇宙人じゃ!!」

お父さんがつっこみ、そのロマンチックなシーンはびりっと破かれた。


「はっはっは、ぴったり!」

弟が笑うと、お父さんはその頭にゲンコツをくらわした。