『美園、着いたけど…いないよ?どこにいんの、敵は!』

「違う違う!中!」

『え?中?……ちょ、待って?奴って何者?』

「え?ゴキブリだよ!大きいの!」

『えっゴキブリ?!』



啓ちゃんがあまりに大きい声出すから、あたしは目がバッテン。



『……あ~…そっか、ゴキブリ…なるほどそういう事かぁ……』




ど、どうした?

啓ちゃん?




『分かった。何かいらない新聞紙とかある?』



てなわけで。

あたしはさっと玄関の鍵を開け、啓ちゃんに新聞紙を手渡した。

啓ちゃんはキョロキョロと辺りを見渡す。




「き、気をつけてね!」



あたしは少しその場から離れる。

啓ちゃんは真剣な顔をして、「うん…!」と頷いた。



BGMはジョーズ。

緊張感が張り詰める…。




その時!


カサッ!




「啓ちゃん!そこ!」

「とりゃあぁぁ~!」




チーン。