「お約束…??」


あたしがなかなか答えを導き出さないから、
啓ちゃんが痺れを切らして、自らアクションを起こした。



「あ~ん」

「ええっ!コホッ!ケホッ…えぇ!?」



あ~ん?!



「顔、赤っ!」

「えっ違っ!だって、えっ!?」



あたしは耳まで真っ赤。

だって、あ~んって、あのバカップルの極みみたいな、アレですよね?!



啓ちゃんは、「ホラ、早く」と体を乗り出してくる。

何か、これ、すっごい恥ずかしいよ!



啓ちゃんだけ余裕なのが何か悔しいので、あたしは意を決してオムライスを一口サイズスプーンに乗せて持ち上げた。



「あ、あ~ん…」



啓ちゃんがパクッとそれを食べる。

そして、もぐもぐしながら「うまい」と笑った。



そして、また顔を赤くするあたしをさらに笑った。



「だから、顔赤いって~美園。かーわい」

「なっ何か、啓ちゃんばっかり余裕で、ずっずるい!」

「ずるくないもーん」




啓ちゃんは知らん振りしてまた笑った。

やっぱ、啓ちゃんには敵わないッス……!