そう言って見せ合ったオムライス。

あたしは啓ちゃんのオムライスに、ニコ二コした顔を描いた。



一応、啓ちゃんの似顔絵のつもり(笑)

啓ちゃんはあたしのに、『LOVE』ハート。



そして誇らしげに笑って言った。


「俺の愛」



ど、どんだけ、乙女心をりんりん鳴らせば気が済むの、アナタ!




「これ食べちゃうのもったいないね」




なんて言いながら、あたし達はオムライスを食べた。

啓ちゃんはぎこちなく幼稚園児みたいに左手でスプーンを握る。




そして、何度も美味しいって言ってくれた。

よかった!あたしはホッと一安心。




「ねぇ。何かホラ、こういう状況の時、やんなきゃいけないお約束、あるでしょ」

「え?」



急に啓ちゃんが言うから、あたしは思わず首を傾げる。

にんと笑ったこの顔…。




啓ちゃんのこの顔は、何か企んでる顔だ。