「眠い?」


あたしがつい笑って聞くと、啓ちゃんは曖昧に「ん~…」とうなった。


「何か今日は……疲れた」



そう言って、啓ちゃんは足と腕を組んで、あたしの肩に頭を乗せて目を閉じた。

肩がぞくぞくっとする。



う、うわぁ~。

あたしは思わずカチンと固まって、両手を膝の上に置いた。



顔赤くないかな。

啓ちゃんは気持ち良さそうに、頭を何度か動かして、あたしの肩のちょうどいい所を探した。




それがくすぐったくて、可愛くて、あたしはドキドキしっぱなし。




寝顔を見てやろうと思って、チラッと啓ちゃんを見るとパッと目が開いた。



「わっ」

「起こしてね、着いたら」

「う、うん」





啓ちゃんは軽く微笑んで、また目を閉じる。

着いたら…って、あと一駅で着いちゃうんだけどね…。




幸せで、あったかくて…ああ、ずっと乗ってたいなぁ―…。