「ねぇ、美園ってやっぱ文系?」

「え?あー、うん。数学できないからね」

「そっか。うん。俺も文系」



あら、意外。

啓ちゃんは理数かと思ってた。



「啓ちゃんって、将来何になりたいの?」




何気にずっと聞きたかった事を、さらっと聞いてみた。



すると啓ちゃんは、にやっと笑って「え~」とじらした。

あたしは慌てて「知りたい!」と繰り返した。



「んー、どうしようかなぁ。将来の夢とか人に言うの、ちょっと恥ずかしくない?」

「えぇ~いいじゃん!教えてよ~」



わくわく。

啓ちゃんはテキストで口元を隠して、「じゃあ…」と呟いた。




「あんね、俺…幼稚園の先生になりたいんだ」



それだけ言うと、啓ちゃんは恥ずかしそうにテキストですっぽり顔を隠した。

何気に耳まで赤い。



それを聞いたあたしは大興奮!




啓ちゃんが幼稚園の先生?!

何かイメージにぴったり。


素敵!!




「大丈夫だよ!なれるよ!啓ちゃんなら!」

「あ、ありが、と…う…」




やっぱり恥ずかしそうな啓ちゃん。