啓ちゃんの本棚も無事に買え、あたし達はほくほくと店を出た。

とりあえず駅までテクテク歩く。



「本棚、明日の午後届くって」

「あ、そうなんだ!」

「ウン」



ご機嫌な啓ちゃんにつられて、あたしも思わず笑った。

家具屋さんで妄想しすぎて、今のあたしはきっとアドレナリンが大放出だ。



「あ、美園、本屋。覗いてこう」

「あ~…そーだった~…。進路の本見るんだったよね」



何か進路の事考えただけで、テンションが一気にダウンだわ…。

啓ちゃんは、


「そんなぶーたれない。入るよ」



と大人に発言し、あたしの腕の所の服を掴んで引っ張った。




本屋に入ると、色んな本が所狭しと並べられていた。

あたしがいつも本屋に行くとしたら、雑誌コーナーか、漫画コーナーだもんなぁ…。




啓ちゃんはさっそく進路の本のコーナーに足を進めた。

あたしもしぶしぶついて行く。




目がチカチカするほど、大学入試に関係する本がずらりと並んでいた。

啓ちゃんが適当に一冊手に取った。