「ハイハイ、ごめんね、王子様」 あたしがからかうようにそう言うと、啓ちゃんは満足げに笑って、三回くらい頷いて立ち上がった。 本当に見るものは本棚なんだけど、そんな事もすっかり忘れて、店内をゆっくり回っていった。 「あ、俺、寝室にするなら、こんな感じがいい」 「あ、いいね。一言で言うなら…ナチュラルって感じ?」 「何カッコつけてんの(笑)」 啓ちゃんがあたしの後ろ頭を小突く。 あたしはマジマジとそのダブルベッドを見て思った。 もし啓ちゃんと新婚さんになったら寝室での朝は…。