……あれからどの位走ったのだろうか。
ダダンッ!ダダンッ!と、一定のリズム音を鳴らしながら地を蹴り走るウェリィー。
二人も乗せていて疲れないのだろうか?
一向にスピードを緩めてはくれなかった。
風がゴォーッと、耳元に聞こえてくる。
制服が濡れているのにも関わらず、体が震える位寒くないのはきっとローブのお陰。
それに…男の体温が伝わってきて温かく感じる。
ダダンッ!ダダンッ!
…………そろそろ、腰とお尻が痛くなってきた。
ウェリィーの背中には鞍が付いているみたいだ。
上下の衝撃を和らげる為か、フカフカしているのだけど…やはり痛い。
それに、今ここはどこなのかも知りたい。
そう思った私は、舌を噛まないように気を付けながら男へと叫んだ。
「ここって……どこっ…なのっ?!」
風を切る音や、ウェリィーの足音に負けじと大声を出してみた。
「…もう直着く……。」
静かな声が私の耳に届いた。
きっと、耳元で言ってくれたんだと思う。
ふと、ローブのフードが風によって少し捲れた。
フードの隙間から見えたのは、土色の大地。もの凄い速さで通り過ぎて行く。
夜が明けてきたからか、物や色が鮮明に分かってきた。
そして、視線を地面から左に動かしてみた。
私の左半分は男に預けている。
最初に男の足が見えた。
そこから視線を上げていくと…男の腰元に”何か”が刺さっていた。
風のせいで目がショボショボしてくるけど、それを我慢して目を凝らした。
(………黒い…刀…いや、剣?)
その”何か”と言うのは、ドラマや映画で見掛ける剣みたいな物だった。
剣らしき物の先が、男の足に隠れてしまってて見えなかった。
剣の持つ部分は漆黒の色をして、幅もあったため、見てるだけでも重量感があった。
私が片手で握ったら、指が全然回りきれない気がする。
………って、どうして剣を持っているのか。
このまま行けば…銃刀法違反になるんじゃないのか?
朝日に照らされ、光を反射しているその剣を眩しく思い、目を細めながらふと思ってしまった。
