「浮かない顔してる。
それで社員旅行の集合写真写るつもり?」
「別に、そんなつもりでは...
どうしたんでしょうね、笑うに笑えなくて」
「.....気分上げてからのほうがいいかな」
先輩はブツリとそう言うと、社長のところまで歩いて行ってしまった。
何かを話しているけど、何を話しているかは不明。
そして、社長は手を叩いた。
「君達、先にお土産見てきなさい。
そしてテンションをmaxに上げてきなさい」
命令なのか、なんなのか。
そんな社長の言葉に、社員達は一斉に走り出していく。
「ほら、行くよ」
「私はあの子と.....
.....いない.....?」
先輩は苦笑いを浮かべると、私の手を取って走り出す。
彼とも、修学旅行中こんなような事があったな...なんてポツリと考えて。
「扇子屋とか、いろいろある....
どれ見たい?」
「えっ....
友達に買っていくお土産を。
お菓子系のほうがいいんですかね?」
「.....本当に友達?」