私が悪い。
そう思って謝りたい。
だけど、何が一体ダメだったんだろう?
「先輩。
三号車と二号車、ヤバイっすよ」
私は先輩と後輩の絡みを横目に、フードをかぶる。
「何が、どう、ヤバイんだ?」
「修学旅行生ですよ。
いや~懐かしいと思いません?
俺も共学だったんで、その学校とか懐かしく感じちゃって」
「へぇ、お前男子校タイプそうだよな」
「とりあえず、共学だったんですよ。
彼女はいませんでしたけど」
ケラケラと笑う後輩と先輩。
そんな思い出話を聞いて、フッと思い浮かぶ。
私と彼も、高三の修学旅行から。
お互いがお互いスキで、彼に京都の恋愛成就の寺で告白されたんだっけ?
「しかし、あの教師は羨ましかったなぁ」
「ナイスバディーだったのか?」
「違いますよ。
それだったら、生徒羨ましいぃでしょう?
教師ですよ、教師。
女子生徒に囲まれちゃって、囲まれちゃって。
あぁーでも、その傍で女性教師もいたな...
カップルなんですかね?」