私が彼の顔を覗き込むと、彼は清々したのか笑顔だった。
「ったく、俺があんなにカッコよく決めたのに、一言目ソレかよ」
「だっていくらなんでも...今じゃなくても」
「いいんだよ、いつかは言おうと思ってたし。
それに、泣いてる原因を作ったのが俺..そしてあの教師なんだろう?
言うなら今かなって思ったから言ったんだ」
彼は立ち上がると、私の右腕を引っ張った。
「俺らのハジメで、嫌な思いさせたく無かったし、したく無かったのによ...」
「したく無かった?
.......私何かした?」
「お土産屋でいた男..誰だよ。
いや、先輩なんだろうなきっと。
でもお前のこと好いてるよな?」
そこを聞かれても、一番困るんですけど?
先輩の真意なんて知らないよ。
「鈍感。
隙作るんじゃねぇーよ」
「はぁ?」
今まで距離作ろうとしてた人に、何で説教されなきゃいけないのよ!!
「修学旅行の二泊三日。
それを我慢するために、極力会わないようにしてたのに」