「おはよう・・・こっちにおいで。今日は、あなたの好きな黒砂糖パンがあるの」
朝にとっておいたパンを細かくして、てのひらに乗せて手招きすると、綺麗な囀りを響かせながら飛んで来てくれる。
ついばむパンがなくなりお腹いっぱいになれば、ヒインコは絶え間なく囀りつづける。
ときにはてのひらの上で。
あるときはベッドヘッドにとまって。
そういえば、昨日は飛び回りながら囀っていたっけ。
「綺麗な羽ね。空を飛べるなんて、あなたが羨ましいわ。私もね、飛んで行きたいところがあるの。そこは、ここから遠いのか、近いのか分からないけれど・・・」
そう言うと、囀りがピタッと止んだ。
じっと見つめてくる可愛い瞳がうるるんと濡れたように見える。
「もしかして、私の言うことが分かるの?」
首を傾げて見ると、ヒインコも同じ仕草をした。
その後すぐ、怒涛のごとくの囀りが始まってずっと続いてしまい、このときばかりは心の底から言葉が分かればいいのに・・と思った。
―――お話、したい―――
この紅い羽と絶え間なく囀る様を見るたびリリィを思い出してしまう。
毎朝元気に声を掛けてくれたリリィ。
今でも、朝にリリィの声を待ってしまう時がある。
それでハッと気付いて哀しくなるのだ。
そういえば、ここにはいないんだっけ・・って。
・・・元気かしら。
ザキや見習い仲間たちと楽しく暮らしていれば良いのだけど・・・。
当初心配した無茶な行為も取り越し苦労に終わっていて、今はただラッツィオの皆の幸せをここから願っていた。
アリの状態も分からないままだけど、きっと元気だと信じてる・・・。
ジークは私がいなくなったから、フレアさんの元に、瑠璃の森に帰ったわね。
ある方角もわからないラッツィオの国。
皆元気でいて―――
想いを馳せていると、ヒインコの囀りがぴたっと止み、バサバサと羽音を立てて外に出ていってしまった。
誰か、来るの―――?
ノック音が聞こえてすぐに開けられたドアから、セラヴィが入ってきた。
つかつかと傍まで来て毛布ごとに抱き上げられる。
いきなりのことに訳も分からず講義の声を上げると、珍しく、ふ・・と笑った。
「ルルカに体調はいいと聞いた。共に散策に行くぞ。貴女にしたい話がある」
「散策―――?待って下さい。貴方は気付いてないのかもしれないけれど、私は、夜着のままです」
ここのところずっとベッドの中だったのだ、夜着以外のドレスに袖を通していない。
「む・・・知っている。だから毛布ごと抱えているのだ。私の他には誰の目にも触れさせん。行くぞ」
朝にとっておいたパンを細かくして、てのひらに乗せて手招きすると、綺麗な囀りを響かせながら飛んで来てくれる。
ついばむパンがなくなりお腹いっぱいになれば、ヒインコは絶え間なく囀りつづける。
ときにはてのひらの上で。
あるときはベッドヘッドにとまって。
そういえば、昨日は飛び回りながら囀っていたっけ。
「綺麗な羽ね。空を飛べるなんて、あなたが羨ましいわ。私もね、飛んで行きたいところがあるの。そこは、ここから遠いのか、近いのか分からないけれど・・・」
そう言うと、囀りがピタッと止んだ。
じっと見つめてくる可愛い瞳がうるるんと濡れたように見える。
「もしかして、私の言うことが分かるの?」
首を傾げて見ると、ヒインコも同じ仕草をした。
その後すぐ、怒涛のごとくの囀りが始まってずっと続いてしまい、このときばかりは心の底から言葉が分かればいいのに・・と思った。
―――お話、したい―――
この紅い羽と絶え間なく囀る様を見るたびリリィを思い出してしまう。
毎朝元気に声を掛けてくれたリリィ。
今でも、朝にリリィの声を待ってしまう時がある。
それでハッと気付いて哀しくなるのだ。
そういえば、ここにはいないんだっけ・・って。
・・・元気かしら。
ザキや見習い仲間たちと楽しく暮らしていれば良いのだけど・・・。
当初心配した無茶な行為も取り越し苦労に終わっていて、今はただラッツィオの皆の幸せをここから願っていた。
アリの状態も分からないままだけど、きっと元気だと信じてる・・・。
ジークは私がいなくなったから、フレアさんの元に、瑠璃の森に帰ったわね。
ある方角もわからないラッツィオの国。
皆元気でいて―――
想いを馳せていると、ヒインコの囀りがぴたっと止み、バサバサと羽音を立てて外に出ていってしまった。
誰か、来るの―――?
ノック音が聞こえてすぐに開けられたドアから、セラヴィが入ってきた。
つかつかと傍まで来て毛布ごとに抱き上げられる。
いきなりのことに訳も分からず講義の声を上げると、珍しく、ふ・・と笑った。
「ルルカに体調はいいと聞いた。共に散策に行くぞ。貴女にしたい話がある」
「散策―――?待って下さい。貴方は気付いてないのかもしれないけれど、私は、夜着のままです」
ここのところずっとベッドの中だったのだ、夜着以外のドレスに袖を通していない。
「む・・・知っている。だから毛布ごと抱えているのだ。私の他には誰の目にも触れさせん。行くぞ」


