迫力を増した美しい顔が、あなたも何か仰いなさいな、とばかりに無言のまま見、ユリアの相槌を待っていた。
それに対し、何か気のきいたことを言いたくても、何せ王子のことを全く知らないので、ありきたりな返事しか思いつかない。
「まぁ、王子様ったら、困ったものですね・・・はっきり仰ればよろしいのに」
というと、王妃は満足だったのか、その言葉を待っていたのよとばかりに、ぱぁと顔を輝かせて微笑んだ。
「えぇ、そうでしょう?分かって下さるのね。
嬉しいわ―――そうなの。貴女という方がいるなら言えば宜しいのに。
あの子ったら言わないんですもの。
だから私、今度はいつ帰ってくるのしら、また何週間も先なのかしら。
あちらの家にもこちらのご令嬢にもすぐにお返事をしなければならないのに、いつ帰るのかくらい言って出かければよろしいのに。
いいえ、もうこうなったら仕事先に出向こうかしら、とヤキモキしていましたの。
そしたら貴女、翌日すぐに帰ってきて、こんなに可愛らしい方を連れ帰って来るんですもの。
しかも、あぁ、貴女は覚えてらっしゃらないでしょうけれど・・・。
抱きかかえて、ですのよ?
その時の私の驚きの気持ち、ユリアさん、貴女お分かりになります?」
「え・・・っと・・・分かりません」
首を傾げ、曖昧に微笑むユリアを見た王妃は、唇に手を当てて優雅にオホホと笑った。
「まぁ、分からなくて当然ですわね―――――ねぇ、ユリアさん、こちらにいらっしゃいな」
脇に控えていた侍女がササと近寄り椅子を引こうとするので、自然と体が動いて立ちあがり、王妃に招かれるまま傍に近寄った。
ニコリと優しく微笑み、そっとユリアの手を握る王妃。
「聞き及んだことに寄りますと、貴女は御両親を亡くされて孤独な身の上だとか・・・。
私、もうすでに貴女のことは娘のように思っておりますのよ。
嫁に迎えるのですもの、当然ですけれど―――これから私のことは母と呼んで下さいましね。
困ったことがあれば、何でも私に相談なさるとよろしいわ」
「はい、王妃様、ありがとうございます」
「―――まぁ、やはり可愛らしいわ。
あの子ったら、こんなお方を、ずーっと隠していましたのね?
貴女を見て、今までどのような縁談も無視していた訳がよくわかりましたわ。
あの子が夢中になるのも分かると言うものです。
――――で、お体の具合が優れぬと聞いておりますけれど、もうよろしいんですの?」
それに対し、何か気のきいたことを言いたくても、何せ王子のことを全く知らないので、ありきたりな返事しか思いつかない。
「まぁ、王子様ったら、困ったものですね・・・はっきり仰ればよろしいのに」
というと、王妃は満足だったのか、その言葉を待っていたのよとばかりに、ぱぁと顔を輝かせて微笑んだ。
「えぇ、そうでしょう?分かって下さるのね。
嬉しいわ―――そうなの。貴女という方がいるなら言えば宜しいのに。
あの子ったら言わないんですもの。
だから私、今度はいつ帰ってくるのしら、また何週間も先なのかしら。
あちらの家にもこちらのご令嬢にもすぐにお返事をしなければならないのに、いつ帰るのかくらい言って出かければよろしいのに。
いいえ、もうこうなったら仕事先に出向こうかしら、とヤキモキしていましたの。
そしたら貴女、翌日すぐに帰ってきて、こんなに可愛らしい方を連れ帰って来るんですもの。
しかも、あぁ、貴女は覚えてらっしゃらないでしょうけれど・・・。
抱きかかえて、ですのよ?
その時の私の驚きの気持ち、ユリアさん、貴女お分かりになります?」
「え・・・っと・・・分かりません」
首を傾げ、曖昧に微笑むユリアを見た王妃は、唇に手を当てて優雅にオホホと笑った。
「まぁ、分からなくて当然ですわね―――――ねぇ、ユリアさん、こちらにいらっしゃいな」
脇に控えていた侍女がササと近寄り椅子を引こうとするので、自然と体が動いて立ちあがり、王妃に招かれるまま傍に近寄った。
ニコリと優しく微笑み、そっとユリアの手を握る王妃。
「聞き及んだことに寄りますと、貴女は御両親を亡くされて孤独な身の上だとか・・・。
私、もうすでに貴女のことは娘のように思っておりますのよ。
嫁に迎えるのですもの、当然ですけれど―――これから私のことは母と呼んで下さいましね。
困ったことがあれば、何でも私に相談なさるとよろしいわ」
「はい、王妃様、ありがとうございます」
「―――まぁ、やはり可愛らしいわ。
あの子ったら、こんなお方を、ずーっと隠していましたのね?
貴女を見て、今までどのような縁談も無視していた訳がよくわかりましたわ。
あの子が夢中になるのも分かると言うものです。
――――で、お体の具合が優れぬと聞いておりますけれど、もうよろしいんですの?」


