やっぱり、今、動いたわよね・・・??
触れないよう緊張しつつ座ってることにだんだん疲れてきてしまった。
そろそろこの状態から解放して欲しいけど・・・。
そう思いつつバルを見上げると、何を思っているのか、無言のまま外をじっと見ていた。
外から吹き込む風に髪がサラサラと揺れている。
表情は見えないけれど、深い考え事をしているように感じた。
何を考えているのかしら・・・。
そう思いつつ視線を腕に戻すと、さらに近付いてるような気がする。
よく見てみると、片手は窓の桟から離れていて頭を巻き込むような感じでじりじりと動き続けていた。
焦りつつもう一度バルを見上げてみれば、さっきと変わらずに窓の外を見ている。
―――もしかして、無意識なの?
何だかとても真剣な感じだし、思考の邪魔をしてはいけないかも。
どうしたらいいのかしら。
でも、このままだと――――・・・兎に角、このままではいられないわ。
迷った末に、思い切って声をかけることにした。
躊躇しながらも、取り合えず名前を呼んでみる。
「バル・・・?」
遠慮しすぎたのか、声が小さくなってしまう。
聞こえないらしく、バルは返事をしない。もう少し声を張ってみる。
「バル」
「ん・・・何だ?」
「・・あの、腕が・・・もう少し離れて・・」
「――――――?・・・っ!?・・・・考え事をしていて・・・つい、その――――すまん、悪かった」
ユリアを包み込もうとしている自分の腕を見て心底驚いたのか、暫く固まった後パッと離れてガシガシと頭を掻いた。
「俺は、何てことを・・・」
呟きながら腰に手を当てて俯く。
「―――いえ・・あの、バル、気にしないで・・・」
そう声をかけるとバルが顔を上げた。
ブラウンの瞳が金色に輝きながら揺れている。
その目を隠すように掌で押さえながら独り言のように呟いたあと、ジークの方に向き直った。
「あぁ・・どうもいかんな・・・。―――――ジーク、あとを頼む。俺は・・・。俺は、暫く外に出てくる」
「はい。バル様、どうぞごゆっくり。俺は一向に構いませんので」
足早に外に出ていく背中を見送り、ジークはユリアの傍に来た。
「・・・お前はもう横になった方がいい。疲れただろう。ほら、薬だ。コレを飲んで・・・」
「・・・はい、あの、バルは・・・」
「バル様は風に当たりに行っただけだ。・・・・まぁ、お前が気にすることじゃない。ほら、少し眠れ」
ユリアは促されるままに薬を飲み、バルの様子を気にしつつ横になった。
飲んだ薬の効果か、窓の外の揺れるこの葉を見つめているうちに瞼が重くなり、いつしか眠りに落ちていった。
一方外に出たバルは、木の根元に腰を下ろし、空を見上げて深い溜息をついていた。
「・・・参ったな・・・」
触れないよう緊張しつつ座ってることにだんだん疲れてきてしまった。
そろそろこの状態から解放して欲しいけど・・・。
そう思いつつバルを見上げると、何を思っているのか、無言のまま外をじっと見ていた。
外から吹き込む風に髪がサラサラと揺れている。
表情は見えないけれど、深い考え事をしているように感じた。
何を考えているのかしら・・・。
そう思いつつ視線を腕に戻すと、さらに近付いてるような気がする。
よく見てみると、片手は窓の桟から離れていて頭を巻き込むような感じでじりじりと動き続けていた。
焦りつつもう一度バルを見上げてみれば、さっきと変わらずに窓の外を見ている。
―――もしかして、無意識なの?
何だかとても真剣な感じだし、思考の邪魔をしてはいけないかも。
どうしたらいいのかしら。
でも、このままだと――――・・・兎に角、このままではいられないわ。
迷った末に、思い切って声をかけることにした。
躊躇しながらも、取り合えず名前を呼んでみる。
「バル・・・?」
遠慮しすぎたのか、声が小さくなってしまう。
聞こえないらしく、バルは返事をしない。もう少し声を張ってみる。
「バル」
「ん・・・何だ?」
「・・あの、腕が・・・もう少し離れて・・」
「――――――?・・・っ!?・・・・考え事をしていて・・・つい、その――――すまん、悪かった」
ユリアを包み込もうとしている自分の腕を見て心底驚いたのか、暫く固まった後パッと離れてガシガシと頭を掻いた。
「俺は、何てことを・・・」
呟きながら腰に手を当てて俯く。
「―――いえ・・あの、バル、気にしないで・・・」
そう声をかけるとバルが顔を上げた。
ブラウンの瞳が金色に輝きながら揺れている。
その目を隠すように掌で押さえながら独り言のように呟いたあと、ジークの方に向き直った。
「あぁ・・どうもいかんな・・・。―――――ジーク、あとを頼む。俺は・・・。俺は、暫く外に出てくる」
「はい。バル様、どうぞごゆっくり。俺は一向に構いませんので」
足早に外に出ていく背中を見送り、ジークはユリアの傍に来た。
「・・・お前はもう横になった方がいい。疲れただろう。ほら、薬だ。コレを飲んで・・・」
「・・・はい、あの、バルは・・・」
「バル様は風に当たりに行っただけだ。・・・・まぁ、お前が気にすることじゃない。ほら、少し眠れ」
ユリアは促されるままに薬を飲み、バルの様子を気にしつつ横になった。
飲んだ薬の効果か、窓の外の揺れるこの葉を見つめているうちに瞼が重くなり、いつしか眠りに落ちていった。
一方外に出たバルは、木の根元に腰を下ろし、空を見上げて深い溜息をついていた。
「・・・参ったな・・・」


