「次はあいつが出番だ。準備しておけ」
変な形の眼鏡をした男が、青色のカーテンの向こうから指示を出した。
目の前にいた全身毛むくじゃらの、豚みたいな顔をした生き物が黒服を着た男に引き摺られていく。
生き物は手を引っ張られながら、分からない言葉を甲高い声で叫んでいる。
――どうしてあの生き物は言葉を話せるの?
怖い・・・
恐怖に怯える娘の瞳が青いカーテンを見つめた。
すると、青いカーテンの向こうからテノールの響きの声が聞こえてきた。
「さぁ、お次の出し物は―――、世にも珍しいカタ族です。彼等の得意分野は物作り。これをご覧下さい―――こう見えても繊細な細工が得意な部族です」
舞台のそでから、男に押されて小さな檻がしずしずと出てきた。
顔に比べて耳と目が大きく体の小さな生き物が、その檻の中に入れられていた。
司会の男が繊細な細工が施された小物を客に見せた。
遠い席の者にも見えるように、大きく引き延ばした写真を舞台の上で掲げた。
「まぁ、素晴らしいわ」
「何て見事なんだ」
会場の中から大きなどよめきが起こった。
「ご自分の物を創らせるのも良し、朝から晩まで創らせて一儲けするのも良し。さぁ、どうですか?」
司会の男が言い終わると金槌の音がカーンと鳴り響いた。
「50!」「55!」「60!」
あちこちから数字を言う声が飛び交った。
「60!それ以上の方は居られませんか?―――60で5番の方に落札されました」
金槌がカンカンと打ち鳴らされ、カタ族の檻に5番と書かれた札が掛けられ舞台から下げられていった。
「さぁ、次は―――」
舞台の上には、全身毛むくじゃらの豚のような顔を持った生き物が檻に入れられて出てきた。
「御主人様、今日は余り値が上がって行きませんね。皆目玉商品に向けて控えてるんでしょうかね?」
男は周りを見渡したあと、舞台の上を静かな瞳で見つめている主人にヒソヒソと話しかけた。
「あぁ、多分そうだろうな」
「目玉商品は人間の娘という情報だけで、他は何も分かっておりませんが」
「あぁ、この連中にとっては娘であれば、あとはどうでもいいことなのだろう。私は―――」
「ご主人様の希望は、この私よく分かっております」
「その時は頼むぞ・・・・・」
「お任せ下さい!」
主人は舞台の上を静かに見つめていた。
変な形の眼鏡をした男が、青色のカーテンの向こうから指示を出した。
目の前にいた全身毛むくじゃらの、豚みたいな顔をした生き物が黒服を着た男に引き摺られていく。
生き物は手を引っ張られながら、分からない言葉を甲高い声で叫んでいる。
――どうしてあの生き物は言葉を話せるの?
怖い・・・
恐怖に怯える娘の瞳が青いカーテンを見つめた。
すると、青いカーテンの向こうからテノールの響きの声が聞こえてきた。
「さぁ、お次の出し物は―――、世にも珍しいカタ族です。彼等の得意分野は物作り。これをご覧下さい―――こう見えても繊細な細工が得意な部族です」
舞台のそでから、男に押されて小さな檻がしずしずと出てきた。
顔に比べて耳と目が大きく体の小さな生き物が、その檻の中に入れられていた。
司会の男が繊細な細工が施された小物を客に見せた。
遠い席の者にも見えるように、大きく引き延ばした写真を舞台の上で掲げた。
「まぁ、素晴らしいわ」
「何て見事なんだ」
会場の中から大きなどよめきが起こった。
「ご自分の物を創らせるのも良し、朝から晩まで創らせて一儲けするのも良し。さぁ、どうですか?」
司会の男が言い終わると金槌の音がカーンと鳴り響いた。
「50!」「55!」「60!」
あちこちから数字を言う声が飛び交った。
「60!それ以上の方は居られませんか?―――60で5番の方に落札されました」
金槌がカンカンと打ち鳴らされ、カタ族の檻に5番と書かれた札が掛けられ舞台から下げられていった。
「さぁ、次は―――」
舞台の上には、全身毛むくじゃらの豚のような顔を持った生き物が檻に入れられて出てきた。
「御主人様、今日は余り値が上がって行きませんね。皆目玉商品に向けて控えてるんでしょうかね?」
男は周りを見渡したあと、舞台の上を静かな瞳で見つめている主人にヒソヒソと話しかけた。
「あぁ、多分そうだろうな」
「目玉商品は人間の娘という情報だけで、他は何も分かっておりませんが」
「あぁ、この連中にとっては娘であれば、あとはどうでもいいことなのだろう。私は―――」
「ご主人様の希望は、この私よく分かっております」
「その時は頼むぞ・・・・・」
「お任せ下さい!」
主人は舞台の上を静かに見つめていた。


