それから、何事もなかったかのように買い物をすると私達は並んで帰った。

そして、圭の部屋に戻ると、起きていたメンバーの誰かが、お帰りと言った後に、ふとこんな事を言った。

「あれ?蓮くんと芙未ちゃんて並ぶとバランスいいんだね。」

それは、日頃から私が感じていた事だった。
背の低い蓮と、もっと背の低い私は並ぶと本当にちょうどいいバランスだった。
嬉しくて、恥ずかしくて蓮の事が見れなかった。

その日を境に、私の気持ちは少しだけ欲深いものに形を変えてしまったのだ。