「ねぇ、美苑。どうして……ヴァンパイアになったの?」

 何故、貴女は、同じ時代に生きる、同じ人間ではないのだ。

 聖良が問うと、美苑は力なく微笑んだ。

 「さぁ。忘れた」

 嘘だ、と直感した。

 それは聖良の傲慢か。

 美苑のことは全て知っている。

 そんなつもりになっていた。