真里奈が2Fに降りた時には、
すでに瀬崎さんの姿はなかった。
安藤の携帯のGPSで居場所を割り出し、
すぐに向かった。
無線で刑事部長から、
単独行動は許さんと言われた。
でも、そんな事に従う真里奈ではない。
無線を外し、1人で向かった。

GPSが反応している場所に着き、
真里奈は拳銃の引き金を引いた。
覆面から降りると、すぐに安藤を見つけた。

ゆっくりと歩く安藤の後ろに、
ナイフを持った瀬崎がいた。
真里奈はすぐに拳銃を構えた。

「両手を上げて。
あなたが安藤を殺そうとしてるって事は、
あなたがあの事件を隠蔽したんでしょ。」

「誰だって、出世できるかもしれない時に、
人を轢いて、被害者は死んだなんて言えないだろ。
当たり前の事だよ。」

「待って...。轢いたの...。
私は、警察内部に犯人、少なくとも共犯がいるって
知った時から、犯人が警察官な訳ないって思い続けた。
愛を殺したお前は、刑務所暮しでも許さない。
私の手で死刑にしてやる。」

「死刑になるなら尚更だ。
俺の罪をバラそうとしたお前も含めて、
こいつから殺してやる。」

「私の目の前で人を殺させはしない。」

瀬崎が握ったナイフが安藤の手首に触れそうになった
瞬間…。

パン。

真里奈は、瀬崎の心臓を一発で撃ち抜いた。

真里奈は、その後すぐに覆面に乗せられ、
現場を去った。