「可哀想に…」
「遺産なんてあるの?」
「………」


口々に聞こえる親戚の声

私は17歳にして喪主を
つとめている。


母がなくなった。
父は私の記憶のある頃には
もういなかった。
母になぜ居ないのか
聞いたこともなかった。
母は病弱で私は一人っ子

いつも寂しかった。