「え・・・?」
 私は唖然とした。
 何があったの?
 そこを通りかかった看護婦さんに声をかけた。
「あの、淳平は・・・。」
「あぁ、片桐さんでしたら退院されましたよ?」
 退院?
 てことは、家かな・・・。
 私は淳平の家へ走った。
 でも淳平の家までの道は曖昧な記憶。
 足ももう限界。
 息は上がって脇腹が痛い。
 何だか具合悪い・・・。
 私は歩いた。
 確か淳平の家は駅の向こう側。
 駅までまた行くのか。
 フラフラの足取りで20分ほどで駅に着いた。
 それから駅の向こうへ行く。
「もう無理・・・」
 自然と涙が溢れた。
 駅の裏側のところに座り込んだ。
 しばらく座っていた。
 だんだん目の前はあの時みたいに真っ暗。
 これが私の運命?
 誰か・・・。
「助けて・・・」