先輩はあたしから唇を離し
拓也はあたしから身体を離した。
「聖羅ちゃん、今ここで決めて?」
「お前はどっちが好きなの?」
「あたしは・・・」
あたしは・・・?
あたしは、拓也が好き。
それは今も変わりない。
だけど
またあんな風にいろんな女の子と遊ばれたりしたら
あたしはもう本当に立ち直れない。
かといって
先輩と付き合うのは無理だった。
先輩の事好きだけど
それは恋愛感情ではなくて
どちらかといえば
家族に向ける愛情に良く似ていた。
だから、あたしは・・・
「ごめんなさい。どっちとも付き合えません・・・。」
どちらとも付き合えない。
あたしは
2人とは付き合えない。
どちらとも、付き合えないんだ。
「「え?」」
2人は驚いてあたしを見た。
あたしは何も言えなくて俯いた。
「そっか、それが聖羅ちゃんの出した答えなら、俺はそれに従う。」
「え・・・?」
「聖羅ちゃん、今まで苦しかったよね?ごめんね。」
「誠先輩・・・」
「じゃあね、聖羅ちゃん。」
誠先輩、本当にありがとうございます。
そして、ごめんなさい。
「拓也?」
「俺、今まで最低な事してた。でも、これだけは知っててほしい。」
「うん。」
「俺、本当は聖羅の事、好きで好きでしょうがなかった。」
「え・・・!?」
あたしにとって
この拓也の言葉は驚きの事実だった。
ずっと
嫌われてると思ってたから。
「バカみたいだけど、ただ、妬いてほしかっただけ。」
「拓也・・・」
「うわ、俺ダセッ!」
「そんな・・・あたし、知らなくてっ!」

