浮気彼氏×一途彼女





「もういい。」

「・・・え?」

「お前としても、どうせつまんねぇだろうし。」

「拓也?」

拓也はあたしを置いて教室から出て行ってしまった。
なんで?
あたしじゃダメなの?
もう嫌だよ。
こんなに好きなのに・・・!

「誠先輩・・・」

あたしは急に誠先輩に会いたくなった。
誠先輩になぐさめてほしくなった。

「俺の事よんだでしょ~?」

「え!誠先輩!?」

「嬉しいなぁ。聖羅ちゃんが俺の事頼ってくれて♪」

嘘みたい・・・。
誠先輩、来てくれた。
あたしは、ただただ嬉しくて
先輩の前でバカみたいに泣いてしまった。

「よしよし。聖羅ちゃん可愛いな~(笑)」

なんて冗談を言いながら
先輩はあたしの頭をなでてくれた。
あたしは
今あったことを全部
先輩に言った。
先輩は、あたしの話を聞きながら
優しくうなずいてくれた。

「辛かったな。」

そう言ってくれた。
あたしは、先輩に今日、2度も救われてしまった。

「先輩、ありがとうございます。」

「ん。全然いいよ♪でも・・・」

突然身体が包み込まれた。
あたしは
先輩の腕の中にすっぽりと入った。

「先輩!?」

「その彼氏、あんまり聖羅ちゃんの事泣かすからさぁ。なんか、聖羅ちゃん欲しくなっちゃった♥」

「えぇ!?」

「聖羅ちゃん、俺と付き合ってくれないかな?」

まさかの展開に
あたしはポカンと口を開けて
まぬけな顔で先輩を見ていた。

「な、なに言って・・・」

「返事はいつでもいいからさ!」

そう言って、誠先輩は出て行ってしまった。