「 ・・・・・・汚い・・・ッ 」 ゴシゴシと袖で唇を 拭っていると、先生が その手を掴んで、 指先に、キスをした。 「 今お前に触れてるのは俺だよ、澪。 汚くなんかない。 ・・・・・・・俺のモノが、汚いわけないだろ 」 掠れた低い声が耳元でそう囁く。 痛いくらいに優しい言葉が 体中に沁みていって、 痛くて、痛くて、やっぱり 涙が止まらなかった。