「 あ、澪!
どこ行ってたの~ 」
教室の前に数人お客さんが並んでいて
目立たないように少し離れたところで
私を降ろした先生の後ろから
ひょっこり結花ちゃんが顔を出した。
「 ご、ごめんね・・・? 」
「 別に大丈夫だよ。
じゃあ澪、2番テーブルついて! 」
「 ・・・・つかなきゃだめ? 」
「 だめ 」
先生に貰ったひざ掛けをきゅっと握って
少し眉を寄せて見せると
先生は苦笑して私の肩に触れた。
「 高坂、クラスの売り上げがよかったら
学校から”ご褒美”貰えるぞ 」
「 え!? 」
「 今年からそういうことになったんだよ。
だから頑張れるよね? 」
──────────ご褒美・・・!
俯いていた顔を上げて
何度も頷けば、先生は笑って
ぽんっ、と私の背中を押した。
ひざ掛けもあるし、ご褒美もある。
少しだけ頑張れば、先生と話せるし
・・・・・・やればできる!

