ネクタイを緩めて、第一ボタン開けて、パイロットがそんな格好してていいの?と首を傾げてしまう。
まぁ、彼の場合は似合ってしまっているのだけど。
「なにで予約したの?」
突然の彼の登場に、固まっている私。
そんな私に、彼はホテルの人の言葉を手話にして、私に伝える。
「インターネット」
「ふーん。
やっぱり、インターネットみたいです」
私の手話に頷くと、今度はホテルの人に伝える。
さっきの女の人から、男の人に代わっている。
彼のカッコよさにショートしたのかな?
「名前は?
本当に、紙に書いたコレ?」
「分かんない。
合ってるの?コレで...と言われると。」
「何で?」
「部屋取ったの、私じゃ無いんです。
編集長が...二日前くらいに」
“編集長”の言葉に彼は首を傾げるが、そのまんまホテルの人に伝える。
本当に、間に入ってくれている。
私だけだったら、怪訝な顔をされるばかりだった。

