『つ』


『た』


『と』


『き』


『か』


『ら』




私は、彼が私を見つめているのを見て、彼の文字を読み取れたことを伝える。




「出会った時から?」




彼は頷くと、文字を続ける。




『す』


『き』


『で』


『し』


『た』




私は、彼の視線から外せなくなる。



こんな嬉しい言葉を、こんな感動する言葉を

彼は手話でやれって言っている。



もしかしたら、自意識過剰に私がなっているだけかも知れないのに。




「好きでした?」




彼は頷くと、まだ文字を続ける。