何で彼が、三回目を誘ってくれたのか、分からないけれど。
でも、もしかしたら今来ないのも、彼の作戦なのかも知れない。
彼が、そんな人じゃないと分かっている。
でも、ここまで何にも連絡が無いと.......。
「お客様、申し上げにくいのですが、そろそろお時間です...」
私は、聞き取ることが出来ないケド、周りを見て理解できた。
店員さんが掃除をしていて、お客さんは誰一人としていない。
邪魔者に私はなってしまっていたようだ。
すみません。
その意味を込めて、お辞儀をして、お金を払って外に出た。
傘は持っていたけど、傘を差す気分になれなかった。
私の涙は、雨と共に流れていく。
恋なんて、しちゃ、いけなかった。
ましては、相手は空を愛すパイロット。
ただでさえ忙しい人間が、疲れる私と一緒にいたいハズが無い。
「ウッ......」
自分の声は分からないけれど、泣いていて、嗚咽が漏れているのは分かる。
もう何もかもがグチャグチャ。
化粧も、洋服も、恋心も。

