「この女をこっちの世界に連れ込むんじゃねえよ。」 「残念―…」 あ゛ぁ゛? また、大神が低く、唸る。 「もう、彼女は既に世界の境界線跨いじゃったみたい。」 冷静に私は周りを見渡す。 今まで何故気づかなかったんだろうと自分でも驚くくらいの 私に向けられた多くの視線。 好奇心、嫉妬、欲望―… 決して良い、視線では無かった。 「コイツは俺とはもう何の関係もねぇ。だから…」 「そうだ。」 雰囲気に似合わない楽しそうな声。