息を切らしながらやって来た織部ツグミは、乱れた髪を整えながら気の利いた謝り文句を口にする。


「ふへーっ!

小都音、本当ごめんっ!
早めに出たつもりが、途中で財布忘れてるのに気付いてさ、取りに戻りに行ったら遅れちゃった!」


話を聞き終え、小都音は少々驚く。

一旦家に帰ったにしては、中々上出来な速さではないのか。

そう勝手に一人で納得して、小都音は素っ気無く返す。


「別にいいよ。アイス奢ってくれれば。」

「うへっ、別に良く無いじゃんかー!」

小都音が怒ってないのに気付き、ツグミは派手に染めた髪を耳に掛けながら笑う。