ダメだ……隠しきれない。

いや、しかし隠す必要もないか……。


俺は少し不自然な間を作った後に答えた。

「吉井が……家に帰ってないから、うちにお邪魔しちゃってるんじゃないかって」

ん……、不自然か……?

「そうなの、心配ね」

思ったより軽い反応だった。

「まぁ大丈夫じゃないかな。まだそんな遅い時間でもないし」

「そうよね。学校には来てたの?」
その質問は軽く受け流して、適当に誤魔化した。


母さんは荷物を片づけながら台所に入った。

吉井さんって、過保護なところあるのよね〜

というようなことを小さい声で呟いたような気がしたが、俺の耳に残ったのはその後に続いた言葉だった。

「提案者のメンバーなのに来てなかったのも、ちょっとね〜」