ある昔の哲学者は言った。

「我々が存する限り、死は現に存せず、死が現に存するときにはもはや我々は存在しない」

と。

それはつまるところ、こう言いたいのだろう。

「死を怖れることはない」

非常に合理的な考え方だと俺の友人、脩は言っていた。

その点に関して脩は、俺はこの言葉に対する静かなアンチテーゼだとも言っていた。

どういうことか聞いてみたら、脩は笑いながらこう答えた。

「悠太は今、現に死んでるみたいな顔してるからな」


そうかもしれない。



今から二ヶ月前。



俺は大好きなバスケをやめた。