検査を終えて病室に帰る途中、お父さんとお母さんが先生の部屋に入って行くのが見えた。



・・・なんとなく予想はつく。私の病気の話だろう。








・・・ダメだと分かっていても、私はつい盗み見をしてしまった。











「・・・優ちゃんの病気なんですが、・・・病名は分かっておりません」



さっき検査をしてくれた医者はとても残念そうな顔で言った。



「え・・・」



父親はその言葉に、言葉をなくす。



「ハッキリ言って、難病です。・・・治し方も分かりません。」



このような病気は初めてだと、医者はつぶやいた。



「そ、それじゃ・・・優は・・・!!!」



母親は不安に襲われたひどい顔をして、医者につかみ掛かる勢いで医者の言葉を待った。



「・・・・・・・・・・・・・・」



医者は1分かそこらへんまで黙り、決意をした顔をすると、



「・・・余命は、あと4ヶ月です。」



と、どうしようもないな。という顔で言った。



「・・・楽しい思い出を、つくってください」




「そんな・・・・・・・・・!!!!!!!」



医者の言葉に母親は泣き崩れた。


父親は自分の服のすそを握り締め、「ちくしょう・・・」と呟いた。








やっぱり。


先生は嘘ついてた。


私は―・・・










死ぬんだ。