亜矢ちゃんは「やっぱり、みんなそういうの見るんだね-」って独り言みたいに言いながら、財布からお金を取り出している。



…別に。
たまたま見たところが「結婚しました」の一覧で、見たくて見たわけじゃない。




「偶然見ただけだけどね」




付け足すようにそう言って、亜矢ちゃんから預かったお金を画面に打ち込んだ。



すばやく画面を見て、お釣りを自分の手に乗せていく。




「ありがとう。お疲れ様!」




笑顔でそう言いながら、私の前から去っていく亜矢ちゃん。