あの、ぶりっこ混じりの甘ったるい声。
亜矢ちゃんだ。




「あ、お疲れ。これ、私の連絡先」



「ありがとう!帰ったらメールするね♪」




そう言いながら、亜矢ちゃんは受け取ったメモ用紙を、大事そうに財布の中にしまいこんでいる。




「じゃあ、お疲れ様!」




買い物をちゃちゃっと済ませ、いつもの言葉を口にしながら、亜矢ちゃんは私の前から姿を消した。