欠伸を噛み殺しながら、体を起こして携帯を手に取る。

 ――開いた画面には、思った通りスヌーズの文字と添えられた(08:10)の時刻。

 ――は、は……――

「八時?!」

 転がるようにベッドから下りて、掛けてある制服をもぎとった。

「なんで八時なのよ!」

 身支度を済ませながら、頭はアラームの謎に巡らせる。

 ――そういえば、昨日は休みだったから遅めにアラームかけて……そのままにしてたんだ!

「あー、もう!」

 謎が解決したところで、今遅刻しそうなのは、まったく解決しないわけで……。
 机の上からカバンをひったくって、ドアに走る。

 ――バコンッ!

 派手に蹴飛ばしてしまったゴミ箱を恨めしく睨む。

「なんで、こんなとこにあるのよ!」

 ――バタンッ!

 学校まで走んなきゃ――!