夏の快晴な空の下。

勢いよく走る自転車。

彼女は急いでいた。

彼女の名前…

大宮百花(おおのももか)

いつもなら寝過ごさないのに

今日は15分も寝過ごしてしまった。

大好きな先輩はいつも通り

家まで来てくれたけど

百花の母親が

先にいくように言ってしまった。

百花はどうにか大好きな先輩に追い付くために

必死の思いで自転車を走らせていた。

大好きな先輩は三年生。

百花は一年生。

今年しか先輩と一緒にいれない

だからこそ百花は焦っていた。

{今日会えなかったら私後悔してしまう…}

そう心の中で呟いて

足をパンパンにしながらも

ただ先輩に逢いたいその一心で

自転車のペダルを回していた。

そのころ百花の好きな先輩は

線路の前にいた。

次、遮断機が上がるまで…

百花の事を思いやり

大好きな先輩は待っていた。

遮断機は上がってしまった。

急がないと遅刻してしまう…。

先輩は先を急いだ。

その後ろにいる百花の声には気づかず。


百花は必死に先輩を呼んだ。

でも先輩は気づいてくれなかった。

気づいてくれないなら追い付かなきゃ…

百花はパンパンな足を必死の思いで動かした。