高校に入学して早1ヶ月。


私、坂原倖芭(サカハラ ユキハ)は


無二の親友のきよちゃんこと清水聖美(シミズ キヨミ)と他愛のない会話をしていた。


「思ったんだけどさぁー…。」


きよちゃんが言った。


「ん?」


「倖芭はさ、何でいつも馬鹿みたいに笑ってんの?」


「んー…分かんないや!」


「ふふっ。倖芭らしいね。」


私はいわゆる女ウケが悪いみたいで女友達が極端に少ない。


でも小学校から一緒のきよちゃんだけは違った。


いじめられていた私をいつも助けてくれてた。


「ありがとう」と言うと決まって「友達だから当たり前でしょ。」


と言うんだ。


その言葉に何度助けられてきたことか。


きよちゃんはいつもキツく見られるけど本当は優しい子なんだ。